2004年9月10日
トップページ -> 貸し出しPC「東芝製TECRA」の情報 -> Vine Linux 3.0をTECRAに入れる--やや人柱企画
手元にあるノートPC「東芝製TECRA」には、最初はRedhat Linux 7.3がインストールされています。しかし、Redhat 7.3はたいへん古いOSであるため、そのまま使っていると、こんな問題点があります。
特に、セキュリティーホールの問題は、放っておくとまわりに迷惑をかけてしまう可能性もあるやっかいな問題です。
そこで、思いきってOSを入れ替えてしまうことにしました。今回入れてみたのは、Vine Linux 3.0です。このディストリビューションには、次の特長があるようです。
TECRAにインストールすると、こんなメリットもあります。
OSを変えるときは、こんな点にも注意しましょう。
コンピュータ関係の新しい製品は、必ずしも思った通りに使えない場合があります。
そんな時に頼りになるのが、他の人の事例です。自分で使う前に、うまくいった事例を探して手順などを確かめると、参考になります。
他の人が行った手順を把握できない状況で、最初に製品の利用を試みることを、「人柱」と呼ぶことがあります。
今回は、私が「やや人柱」になって、Vine Linux 3.0をTECRAにインストールしてみました。途中でつまずいた所などを紹介しますので、参考にしてください。
入れたソフトウエアは、順調に動いています。「今までよりも快適だ!これは、使えるぞ!」と私は思っています。
OSをインストールするときはたいてい、OSのデータが入ったCD-ROMを用意します。
Vine Linux 3.0のCD-ROMは、こんな方法で入手できます。
雑誌付録
例えば、Linux magazine2004年10月号や、日経Linux2004年10月号に、付録としてCD-ROMがついています。
FTPサーバからダウンロード
CD-Rドライブと、インターネットにつながったパソコンを両方持っているのであれば、インターネットからダウンロードするのも、よいでしょう。
Vine Linux 3.0のCDイメージは、身近なところでは、東京大学情報基盤センターのftp://ftp.ecc.u-tokyo.ac.jp/VINELINUX/Vine-3.0/CDIMAGE/にあったりします。「Vine30-i386.iso」が、OSの本体です。「Vine30-SRPMS.iso」は、ソースコードを集めたディスクのイメージです。
ダウンロードが終わったら、このファイルをディスクイメージとして、CD-ROMに書き込みましょう。単なるファイルとして書き込んでしまうと、起動しないディスクになってしまい、意味がありませんので注意。
お友だちからもらう
Vine Linux 3.0のディスクを持っているお友だちがいたら、貸してもらうといいでしょう。ついでに、CD-Rにコピーしてもらうといいかも。
ちなみに、無料で公開されているVine Linux 3.0は、自由に再配布できます。ただし、雑誌付録として配布する場合は、開発者に連絡する必要があったりするそうです。
まずは、パソコンをCD-ROMから起動する必要があります。パソコンの電源が入っている状態で、Vine Linux 3.0のディスクをドライブに入れて、再起動します。
パソコンを、CD-ROMから起動するように操作します。パソコンの種類にもよりますが、例えば手元の東芝製「TECRA」では、起動直後にF2キーを押し続けると、何から起動するかを選ぶ画面になるので、カーソルキーで左から3番めのCDのアイコンを選びEnterキーを押すと、CDから起動するようです。
起動すると、キーボードから文字を入力するよう促されます。
インストーラーが動き出すと、ユーザは質問攻めにあいます。私のTECRAには、こんなふうにインストールしました。
質問攻めが終わると、ひたすらインストールが行われます。全部終わると、再起動を促されるので、CD-ROMを取り出して再起動します。
正しくインストールができていれば、次に起動するときは、Vine Linuxのロゴが出るブートローダーが現れ、「linux」を選ぶとVine Linux 3.0が起動するようになります。
このまますぐに使えるといいのですが、いくつか行うべきことがあります。
インストールしてすぐのOSには、セキュリティーホールがあるかもしれません。新しいパッチを求めて、さっそくアップデートを試みましょう。
ただし、ネットワークにつながっていないと、アップデートのファイルが手にはいりません。
ネットワークにつながった状態で、rootでログインして、次のように入力します。
新しいパッケージをインストールする必要がある場合は、質問が表示されたりします。なお、この方法だけではアップデートできないファイルもあるので注意しましょう。
ちなみに、アップデートをするときにつなぐサーバの場所は、/etc/apt/sources.listです。最初は、オフィシャルなアップデート用のサーバが示されていますが、実はアップデート用のサーバは東京大学情報基盤センターにもあります。
/etc/apt/sources.listの先頭付近に、このようなことを追加して書くと、情報基盤センターからファイルを素早く入手できるようになるかもしれません。
このままの状態では、コンソールに日本語を表示できません。Vine Linuxでは、多くのコマンドが日本語を出力するため、このままでは、何をやっても文字化けした表示ばかりになって、困る場合があります。
/etc/lilo.conf のファイルの中で、Linuxについて書いてある部分の最後あたり(root=/dev/hda2と書かれた行のすぐ下あたり)に、「vga=0x301」という行を挿入します。「0x301」の部分は、値を変えると解像度や色数が変わるそうです。0x303や0x317も試してみるといいかも。
最後に、/sbin/liloを実行して、設定の変更をブートローダーに登録します。
いったんリブートすると、起動時に画面左上にVine Linuxのロゴが出てくるようになります。そして、コンソールで日本語が表示できるようになっています。
このままの状態では、ログインしてstartxと入力しても、GUIに切り替わりません。原因をあれこれ調べた結果、インストールされていないウインドウマネージャーを探して失敗していることが分かりました。
次のようにすると、ちゃんと使えるようになります。
ちなみに、gnomeが好みに合わない場合は、WindowMakerなどをダウンロードしてインストールするのもよいでしょう。
rootでログインして、次のように入力すると、ネットワークにつながっていればインストールできるようです。
apt-get コマンドは、簡単にソフトをダウンロードしてインストールしてくれるので、とても便利です。
WindowMakerをインストールした後であれば、 setwm WindowMakerと入力すれば、次からはWindowMakerを使えるようになります。
ちなみに、つまずきがちなXの設定ですが、設定ファイルが/etc/X11/xorg.confに置かれているので、うまくいかなかったら後でこのファイルをいじるのも1つの手です。また、Xなどの設定は、rootでログインして/usr/sbin/setupを実行すれば、対話的に行えます。/usr/sbin/setupは、ほかにもいろいろな設定をしてくれるので、とても便利です。
一般的なLinuxディストリビューションと同じく、useraddかadduserコマンドで、ユーザを増やせます。普段からrootで使うのはやめましょう。
Vine Linuxをふつうにインストールすれば、有線LANがついているパソコンでは、起動時に自動的にLANが使えるようになります。
手元のノートPCは、いつもネットワークのケーブルにつながっているわけではありません。ケーブルをつながない状態では、接続がタイムアウトするまで待たされるので、起動にすごく時間がかかります。そこで、必要なときだけネットワークにつなごうとするように、設定を変更してみました。
これで、起動時に勝手にネットワークにつなごうとうする動作をしなくなります。
ネットワークにつなぎたいときは、/sbin/ifup eth0と手動で入力します。止める時は、/sbin/ifdown eth0です。
手元のノートPCには、Windows XPが/dev/hda1に入っているので、Windowsで使っているNTFSの区画を、Linuxから読み取れると便利です。
ファイルシステムの情報を入れるファイル /etc/fstab に以下の行を書き込むと、次に起動したときから、ディレクトリ /mnt/nt 以下に NTFS のファイルが見えるようになります。
/dev/hda1 /mnt/nt ntfs defaults 0 0
ついでに、ディレクトリ /mnt/nt を mkdir コマンドであらかじめ作っておく必要があります。
/mnt/nt に行けるのは、 root だけのようです。
東芝TECRAには、「Atheros 5211」という無線LANの機能が入っているようです。
以前紹介した無線LANのドライバは、Vine Linux 3.0でも立派に動作します。さっそく入手して使ってみるとよいでしょう。ただし、Redhatにインストールする場合と、少し違う部分がありました。
あらかじめ、カーネルのソースコードをインストールしておく必要があります。もしも入っていなかったら、apt-getコマンドなどで入手しておきましょう。
最初に「.config」を作る必要があります。rootでログインして、/usr/src/linuxに移動し、次のように入力します。
ln -s configs/kernel-2.4.26-i686.config .config
これで、コンパイルに必要な「config」ができました。ただし、カーネルのバージョンなどにより、はるべきリンクが異なっている可能性があります。
ifcfg-ath0を書いても、うまくいきませんでした。こんなスクリプトを用意すると、うまくつながりました。うまくつながった場合は、最後にIPアドレスなどが表示されます。
#!/bin/sh /sbin/iwconfig ath0 key open /sbin/iwconfig ath0 essid "ABCDE" key 1234567890abcdef0123456 /sbin/dhcpcd ath0 /sbin/ifconfig ath0
ただし、"ABCDE"には本当のessidを、12345678...の部分には本当のWEP KEYを書きましょう。
Vine Linux用に用意されたソフトウエアはたいてい、apt-getコマンドでダウンロードしてインストールできるようになっています。(ときどき、動いてくれないものもありますが)
そうでない場合は、Linux用のソフトウエアを配布元でダウンロードしてくれば、たいていは動くようです。
いろいろなソフトウエアをインストールして、いろいろな学習や研究にチャレンジしてみましょう。
分からないことがあったら、近くの人に質問したり、インターネットで調べたり、インストールされているマニュアルを読んだりしながら、解決する方法を探しましょう。そして、どんどん先へ進んでいきましょう。